百年の森林事業はじまりから12年を経て、村の木で実現した役場庁舎・図書館・生涯学習施設を複合したあわくら会館が完成した。

豊かな村産原木をふんだんに使い、村産で調達可能な断面・長さの木材の巧みに組み合わせた架構計画・平面計画により、ダイナミックな魅力的な木の建築空間を実現している。

サウンドウッズは、村の中心部に位置する基幹施設（役場・図書館・多目的ホール・保育所・子育て支援施設）を実現するための、基本計画立案から、設計者選定、各施設の基本設計・実施設計への木材情報の提供と設計支援。木材調達にかかる工事発注前での材料調達。本体工事と分離発注にり調達した木材の、建設会社への支給などの役割を担った。

建築の構想から９年間におよぶプロジェクトは、次世代に引き継ぐ森林資源価値の「見える化」が図られ、森づくりとともに村づくりを進める「継承」のシンボルとして住民の拠り所となる。将来の施設整備に必要な森林が育つまでのあいだ、木の建築に秘められたゆるぎない志しは、目に見え、手で触れ、空間体験を介して伝わる強いメッセージを、村内外に発信し続ける役割を担っている。

 

 

【概要】
事業主体　　：西粟倉村
敷地所在地　：岡山県英田郡西粟倉村大字影石
建物規模　　：木造2階建、延床面積3,461.31㎡、建築面積：2,360.45㎡（1 階921.07 ㎡、2 階1,439.38 ㎡）
完成日　　　：2021年4月
設計　　　　：アルセッド建築研究所（東京）
                         倉森建築設計事務所（岡山）
                         近代建築コンサルタント（広島）
                         山田憲明構造設計事務所（東京）
施工　　　　：梶岡建設株式会社
木材供給協力：株式会社 西粟倉・森の学校
事業企画プロデュース・木材調達コーディネート：NPO法人サウンドウッズ