地域を知る教材となる木の学校

[兵庫]香美町立村岡小学校・村岡幼稚園

2015年、地元・香美町産の木をふんだんに使った新校舎が完成。地域の将来を担う子どもたちや保護者、住民、教職員が世代を超えて受け継いでいく「ふるさと教育」の拠点が誕生しました。

テーマは「地域を知る教材となる木の学校」。既存の校舎の耐震化と老朽化した校舎の建替えが行われました。校舎の建設中には、木に触れる体験を通して学び、木材資源を無駄なく活用するプログラムを実施。6年生が保護者と共に木製のサインボードを制作した他、全校生徒で木のベンチづくりに取り組みました。校舎の完成後は生徒たちが建物の手入れを行うなど、木の学校を大切に使う活動が継続的に行われています。

サウンドウッズは事業全体の企画プロデュースを担当し、校舎に使う木材には町内の森林を活用するのがよいと提案しました。森林の調査と木材の調達支援を行うことで、町内の森林を使った校舎を実現。発注者の意思を尊重し、ハード面だけでなく、ソフト面においても魅力的な建築づくりが行われるように設計者選びの支援を行いました。

さらに、校舎の構想段階から完成までを記録した映像を編集。毎年、上級生が下級生に読み聞かせができるように紙芝居を制作し、地元の森と学校とのつながりや、木の学校を地域の誇りとして伝えるための仕掛けを提案しました。想いや実際の活動をカタチにしておくことで、将来この学校を利用する人々(新入生、保護者、教員など)も、木の建築に取り組んだ経緯や意義を知ることが可能となります。

【概要】

事業主体…兵庫県美方郡香美町 建物所在地…兵庫県美方郡香美町 建物規模…小学校特別教室棟:木造平屋建て、延床面積652㎡ 幼稚園舎:木造平屋建て、延床面積338㎡ 完成日…2015年2月 木材使用量…530.55㎥ (町支給材:457.82㎥、施工者調達材:72.73㎥) 受賞歴…第13回 木の建築賞 大賞 受賞(2018年3月)