魚津市の小学校（住吉・上中島・松倉）は、文部科学省「木の学校づくり先導事業」の採択を受け、全国初のオール木造3階建てで建設することとなりました。2019年4月「星の杜（もり）小学校」として３校が統合し、開校から10か月後すべての校舎が完成しました。
木がもつ香り、あたたかみや感触、高い吸湿性といった優れた性能を生かした木造校舎は、潤いある学習・生活環境を実現する大きな効果が期待できます。

全国公募されたプロポーザル型設計者選定において、東畑・鈴木設計共同体のチームに参加したサウンドウッズは、発注者・設計者・市内木材事業者・学識経験者・富山県担当者で構成する「木材調達検討会」を運営し、建設に必要な1,000m3におよぶ製材・集成材の調達を無理なく市内森林から行うため情報共有を図りました。設計の初期段階から地域材の情報を把握しながら、調達スケジュールと工事の工程計画を行い、調達体制整備の支援を行いました。その結果、魚津市産の杉材を有効に活用した構造計画や内装計画が可能となりました。

地域の木をつかった校舎は、「木を生かした学習」など地域に目を向け、地域を教材とした学習にも活用できます。また、市内産木材の活用が、地域の林業・木材産業の活性化につながることが期待されています。

【概要】
事業主体　：魚津市教育委員会
敷地所在地：富山県魚津市住吉地内
建物規模　：木造3階建て、延床面積4791.31㎡、建築面積：2552.71㎡
完成日　　：2020年1月
設計　　　：東畑・鈴木設計共同体（株式会社東畑建築事務所、株式会社鈴木一級建築士事務所）
施工　　　：山形建鐵・東城・朝野工業住吉・上中島・松倉統合小学校木造校舎新築事業建築主体工事共同企業体
防耐火 / 構造設計協力　：桜設計集団一級建築士事務所
木材コンサルタント　　 ：NPO法人サウンドウッズ
その他     ：文部科学省「木の学校づくり先導事業」、全国初オール木造三階建て校舎